Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
高氏のする仕事を」
「それでよいのか」
「どんな勲功にもまさる大功としよう。きっと、後日にはその功におむくいする。また高氏が今日、質子をたずさえて来たわけも、一にはそこもとの疑心を解くため。二には、すぐあとから、不破へさしかかって来る名越尾張守の軍を、わずか一時でよい、質子不知哉丸を証として、足利に叛心なしと、巧く、たばかッてもらいたいためなのだ」
「…………」
「それも長くはあざむけまいが、今後十日のうちには、関東の野から、べつに叛旗をひるがえす者があらわれる。それまでの時を稼げばまずよいのだ」
「えっ、東国の野から?」
「む。新田が起つ。上野国の新田小太郎義貞も、その遠くは、足利と同祖の家。――これまでの反目も水にながして、同時に起つ密約もすんでおる。――あとは、同じ源氏の名門では、御当家だけだが、賢明なそこもとが、ここを踏み過るはずはないと、新田も見てれば、またかくいう高氏も、十年らい、この目でみてきた佐々木道誉だ、かたくその者を信じてこれへ来たわけだ。わかろうがの、こうまで申せば」
道誉も急に腹の底をかえていた。高氏はほんとにおれを信じている! そう彼も信じ込んできた容子だった。