Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

えんむすび

縁結び

泉 鏡花

Lesen Sie 縁結び (えんむすび) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.536 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

と云う時、謙造は声が曇った。

「すらりと立って、背後から私の手を柔かく筆を持添えて……

おっかさん、と仮名で書かして下さる時、この襟へ、」

と、しっかりと腕を組んで、

「はらはらと涙を落しておくんなすった。

父親は墨をすりながら、伸上って、とその仮名を読んで……

おっかさん、」

いいかけて謙造は、ハッと位牌堂の方を振向いてぞっとした。自分の胸か、君子の声か、幽に、おっかさんと響いた。

ヒイと、堪えかねてか、泣く声して、薄暗がりを一つあおって、白い手が膝の上へばたりと来た。

突俯したお君が、胸の苦しさに悶えたのである。

その手を取って、

「それだもの、忘、忘れるもんか。その時の、幻が、ここに残って、私の目に見えたんだ。

ね、だからそれが記念なんだ。お君さん、母様の顔が見えたでしょう、見えたでしょう。一心におなんなさい、私がきっと請合う、きっと見える。可哀相に、名、名も知らんのか。」

と云って、ぶるぶると震える手を、しっかと取った。が、冷いので、あなやと驚き、膝を突かけ、背を抱くと、答えがないので、慌てて、引起して、横抱きに膝へ抱いた。

慌しい声に力を籠めつつ、