Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
ベスービアスの噴火口
ピイ/\でございましたろうよ。母の話によりますと、青山の百人町で傘を張っていたそうでございます」
「それも申しますまい。尤も御家人は皆傘屋が内職でしたよ」
と宮地さんは納得したようだった。
「然うのようでございますね。芝居なんぞでショボ/\した御家人が傘を張っているところを見ますと、会ったことはありませんが、母方の祖父を思い出します」
と母親も心細いことを言う。
「詰まらない先祖が役に立つんですな」
と新太郎君は笑った。
「禍も三年さ」
「それじゃ昼からイヨ/\正式に乗り込みますかな」
と宮地さんは立ち支度をした。
「何うです? 前祝いに一杯」
と父親が引き止めようとした。
「いや、後からに願いましょう」
「それじゃ晩にお待ち申上げます」
「細工は流々」
「何だい? 未だ流々か?」
と新太郎君は又待ちもどかしくなった。実はもう成功して来たと思っていたのだった。
ベスービアスの噴火口
宮地さんが入って来た時目を見張って迎えた店員達は、主人夫婦と新太郎君が宮地さんを送り出した時、一斉に立ち上ってお辞儀をした。新太郎君はそのまま机に坐って事務を執り始めた。
「おい。君」
と間もなく寛一君が隣りから囁いた。