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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

と父親が改まっていた。

「やあ、新太郎さん、お待たせ申しました」

と宮地さんが会釈した。新太郎君は一礼して母親の側に坐った。

「斯うなると代々の土百姓は能がありませんな」

と父親が何か述懐した。

「奥さんのお手柄です」

「お母さん、何ですか?」

と新太郎君は合点が行かなかった。

「矢っ張り士族平民が喧しいんだそうですが、考えて見ると此方は私のお母さんのお父さんが御家人だったから、満更素町人でもないということになったのさ」

と母親が説明した。

「妙なものが――と申しては失礼ですが、思いもかけないものが役に立ちますな」

「私さえ考えたこともないのに能く覚えていて下さいましたのね」

「ヒョッと思い出しましたよ。尤も友三郎さんに責められたのです。何とかしてお母さんの顔を立てゝ貰いたいと一生懸命ですよ。先方でも」

「お蔭様でございます」

「後継が今もおありですか? お母さんのお里の」

「はあ、本所でお風呂屋をしていますが、引き合いに出すのも却って変なものじゃございますまいか?」

「いや、唯確めてさえ置けば私も安心して口が利けます。禄高は何石でしたか?」

「さあ、存じませんね。御家人ですから。