Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

五分前である。

金五郎が、なおも、気をもんでいると、前方の町角を、番傘をさしたマンが、駈け足で、急いで来る姿が見えた。やっと、駅にたどりつくと、ふうふうと、息を切らしている。

「どうしたんじゃ?」

「あなた」と、マンは、夫を物かげに引っぱって行き、「気をつけて下さいよ。角助さんが、どこかで、あなたを汽車から突き落してやる、というて、小倉から、この列車に乗りこんだらしいです」

「ふウン」と、金五郎も、ちょっと、眼をぎらつかせたが、「それより、親方が来んが、お前、知らんか」

「また、メカケのところで、飲んだくれとるのでしょ。仕様がないわねえ。……どこが、あんな女、ええのか知らん……?」

マンは、歯ぎしりしそうに、口惜しい顔になる。

発車間際になって、一台の人力車が、「アラヨッ、アラヨッ」と、やけ糞のような掛声で、駅に向かって、疾走して来た。饅頭笠をかぶった車夫の顔からは、雨と汗とが一緒くたになって、だらだら流れ、白い湯気が立っている。

幌をめくると、永田杢次と、メカケのサクとが、一緒に乗っていた。泥酔している永田は、ナマコのように、骨なしになって、サクの膝のうえにうつぶし、ほとんど、意識がない。