Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、もとより、出鱈目な者ばかりであったわけではなく、庭に面した広間に集まって、真面目な話をしている親分連もあった。

大庭春吉が、ぽつりぽつりと、重い口調でいっている。

「聯合組も、もっと、しっかりせんと、共働組に、仕事を食われてしまうぞ。なにしろ、相手は、吉田磯吉の一の子分の友田喜造じゃけなあ。……どうも、いざとなると、腕力で来るんじゃけ、うるさいわい」

「港の仕事にまで、ドスを持って、食いこんで来られちゃあ、たまらんなあ」

「なあ、玉井」

と、縁側で、助役仲間と、盃片手に、将棋をさしていた金五郎へ、大庭春吉の顔が向いた。

「はあ……?」

ふりかえると、

「永田杢次はあげな風で、さっぱり、頼りにならん。玉井、ゆくゆくは、お前のような、しっかりした若い者に、聯合組を守って貰わにゃならんど」

「いえ、わたしなんぞ、……」

金五郎は、びっくりして、尻込みした。

このとき、廊下に、草履の音がして、襖が開いた。一人の若い女が、顔を出して、

「盆が始まります。親分衆たち、どうぞ」

「打つ」組の案内らしい。

金五郎は、眼を凝結させた。そこは、いくらかうす暗くて、女の顔は、はっきりと見きわめられなかったのに、金五郎の胸は、もう、ドキドキと、波打ちはじめた。