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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

やっぱり、子供のない者は、動物を可愛がるというのは、ほんとうじゃろうかなあ。それにしても、あんただち夫婦、どっちも身体が丈夫なのに、どげえもて、子供が出来んとじゃろか。まあだ、なんの印もないのかな」

「ありません」

「おかしいなあ。もう、一緒になって、二年になるとじゃろ?」

「子供が産まれんで仕合わせですわ。こんな貧乏世帯では、養いきりませんけ」

「なんの、一人口は食えんでも、二人口は食える、というてな、猫を七匹も飼うよりゃ、わが子を育てる方が楽よね」

ヨネは、猫の群れている縁側に、茂次平をおろして、自分も腰をかけた。

すがすがしい朝の光線が、いっぱいに、縁にさして来た。港の方で、汽笛の音が聞える。

「そらそうと、昨夜は、いったい、どげえしたとな?」

「泥棒が入りましたとです」

「泥棒?」

ヨネは、団栗眼をむいた。まだ、そこらに、その泥棒がいるかのように、気味悪そうな眼つきで、あたりを見まわした。

マンは、笑って、

「泥棒にやる金を、お姐さんのところに借りに行ったんです」

「なんてな?」ヨネは、仰天して、「そげな馬鹿なことが……」

「ほんとです。昨夜の泥棒は、正直そうな人でした」