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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

留守の間、荷役のある日は、マンは、助役たる金五郎の責任を自分が果す気持で、組の仕事をてきぱきと切りまわした。早朝の荷役のときには、さびしい未明から、一人で、組内の仲仕を起してまわり、仕事の段取りも、跡始末も、率先してやった。しかし、どうしても、女の力では及ばぬことがある。そうすると、情ないやら、腹立たしいやらで、いらいらし、

(なにをしとるんじゃろか? 親方がぐうたらじゃけ、うちのまでが引きこまれる。親方の守りなんか、ええ加減で切りあげて、引きずって帰りゃ、ええのに……)

と、もっぱら、罪を親方になすりつけて、永田杢次を恨んだ。

金五郎の下で、助ボーシンをしている松川源十は、顔中、菊石なので、「六ゾロの源」と、仲間から呼ばれている。六ゾロは骰子の六の目が二つ列んだ形だ。源十も小博徒である。しかし、仕事熱心で、金五郎とは気が合っていた。三十歳。彼は、マンに、

「おマンさん、心配せんでもええ。金さんが帰るまで、わしが引き受けた。金さんの顔をつぶすようなことはせん」

と、口癖に、いった。

「すみません」

「すまんこたない。角助が居らんようになりゃあ、この組で、金さんを蹴落そうというような考えの者は、誰も居らん。