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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、右舷だけではなく、左舷も同様だった。左舷を指揮していたのは、「六ゾロの源」である。

「どうやら、うまく行ったなあ」

金五郎と、源十とは、さすがに、ほっとした面持で、微笑を取りかわした。

段取りが終り、パナマ丸が、洞海湾の入口に横たわっている、中ノ島の横を通るころには、東の空は白み、港内も、ぼうと、暁のうす光に、浮きあがりつつあった。

「玉井君、君は、相かわらず、元気だなあ」

船橋のうえで、そういうのは、船長である。門司以来の顔見知りで、荷役のたび、何度も逢ったことがあった。

「外に、能がありませんからな。親ゆずりの健康だけが、取り柄ですよ」

「いや、謙遜せんでもいい。僕も、今度ばかりはおどろいたよ。型破りだ。こんな無鉄砲、君でなけりゃ、出来んよ。これは、健康だけの業じゃない」

「わたしがしたんではなくて、港の悪漢がさせたんですよ」

「大きに、そうだ。どうも、港をかきまわす毒虫がいて、困るなあ。こっちが、端迷惑だ。船を喧嘩場と思ってるんだから。……今日も、喧嘩になりぁすまいねえ?」

「わたしの方は、喧嘩なんかしないつもりですが……」

三番浮標が、薄明の中に、近づいて来た。