Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「玉井金五郎って、図々しい奴じゃないか。おれたちの縄張りの若松に、のそのそ、入りこんで来やがって、頭をもたげるなんて……」
「ドテラ婆さん」は、憎々しげないいかたである。腕まくりし、ぐいぐいと、酒を飲む。
角助も、金五郎を憎む点では、誰にも劣らないので、
「ヘン、あいつが、若松に来て、頭をもたげようたって、そうは問屋がおろしませんよ。畳のうえで死ぬ気なら、当てが外れまさあ」
「玉井組は、半纏に、ここの金比羅さんと同じマークをつけとるなあ。生意気な」
「名が金五郎じゃけ、丸の中に、金の字を入れたんでしょう。罰当りですよ。図に乗りやがって、……良心のある者なら、神様に遠慮せんならんとこですばい」
「ちいたあ気の利いた子分でも、居るとかい?」
「碌なのは、居らんですよ。六ゾロの源のような間抜けがボーシンじゃけ、後は大概わかっとる。田舎の郵便配達じゃったという大川時次郎、こいつ、金五郎の女房のおマンと、どうやら、田舎に居ったときから、怪しい仲じゃったちゅうけ、今に、痴話喧嘩が始まりますばい。間男の現場を、金五郎に見つかった、ちゅう噂も聞きましたよ」
「それで、よう、玉井が黙っとるなあ?」