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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

聯合組事務所は、海岸通りにある。そこには、弁財天宮があって、通常「弁財天浜」と呼ばれている。道幅が一間あまりしかなく、風と波のはげしいときは、湾内の海水がしぶきになって、店の中まで入って来る。今日は波が静かで、林立した帆船の檣も、じっとしていた。

金五郎は、事務所の裏口から廻り、小使に、日本刀をあずけた。

「仕事の帰りに貰うて行くけ、どこかに、蔵っといてな」

「玉井さんは、刀剣の鑑定が、大層、上手じゃげなのう。これも、銘刀かね?」

「うん、天下の銘刀じゃ」

笑って、そういい、また、弁財天浜に、出た。岩壁の附近を見まわした。

「おうい、親方、こっちじゃあ……」

サンパン小屋の附近から、大川時次郎が、手をあげて、呶鳴っている。

「玉井組」の看板をかけて以来、困ったのは、金五郎の呼びかたであった。小方には、昔の同僚や先輩がいるし、郷里の友人もいる。これまでの「親方」というのは、照れくさいし、「親分」も、仕事師らしくない。「玉井さん」「金五郎さん」「金さん」などは、なお、ぴんと来ない。そこで、申しあわせの結果、マンの発案を入れて、「オヤジ」と呼ぶことに取りきめたのであった。