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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

前夜の出来事については、永田家では、なんにも知らぬ様子である。(相かわらず、のんきな親方だ)と、思った。もともと、荒くれた立引と、生き馬の眼を引き抜く鋭敏さと、ときには、血で血を洗う争闘さえ、辞せられない請負師をしていたことが、永田杢次には無理なのであった。ラムネ屋という、普通の商売に変ってみると、実に、平和な姿で、板についている。

「玉井、碁を打たんか」

と、にこにこ顔でいう。

「碁は知りません。将棋なら、すこし、さします」

「将棋は、おれが知らん。碁の方が面白いぞ。知らんなら、教えてやろうか」

「教えて下さい」

「おい、ヨネ、碁盤を持って来い」

「いえ、今夜は、ちょっと、外に用事がありますけ、また、この次に……」

「そうか。そんなら、そうしよ。……玉井、お前も、一人前の仕事師になって、これから、玉井組が大きゅうなって行くんなら、碁は、ぜひ、知っとくがええぞ、趣味を持たん人間は、動物と同じじゃ。バクチを知っとるだけじゃ、つまらん。お前は、若いに似あわん面白い男じゃけ、そのうち、町会議員くらいには出られるかも知れん。いんや、かならず、町会議員にはなれる。そんなときには、えらい人とも交際わねばならんことが出来て来るけ、碁は知っとけ、きっと、役に立つ。