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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

海の神様として、漁師たちの信仰が厚かった。まったく、人かげがない。

「姉さん、なあに?」

あたりのあまりの静けさに、不気味そうにしながら、あどけない顔で、染奴は、訊いた。

「ほかのことじゃないけどね、あんた、玉井さんに惚れるの、止めなさい」

染奴は、びっくりして、お京を見た。お京の顔はいつになく鋭く、染奴は威圧を感じた。しかし、彼女も、いつもの従順さをすてて、

「御意見なのね。姉さんのお言葉やけど、こればかりは聞かれないわ。いつも、お父さんからいわれることも、よくわかったうえでのことよ。「飛鳥」にいるために、女の命の恋がかなえられないというのなら、あたし「飛鳥」を出ようとまで、思うとるのよ。……お京姉さんにも、力になって頂きたいと考えとったのやわ。それに、姉さんが、止めなさい、なんて……」

「でも、あんた、玉井さんと変なことになったら、友田さんとのこと、どうするの?」

「無論、手を切るわよ」

「あんた、そんなに簡単にいったって……」

「ええのよ。友田さんて、あたし一人じゃないんだし、……いつか、別れた方がええって、考えとったの」

「駄目よ。そんなもんじゃないわ。