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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

(そんなら、蜘蛛は?……)

蜘蛛は、この席に、一杯、うようよしている――お京は、そんなことを考えだすと、不意に、不安がおこって来て、手足の乱れを感じた。動悸さえ、打つ。

「おい、玉井」

大庭春吉が、金五郎の袖を引いた。

「はい」

「踊っとるあの女、二日市の武蔵温泉のときの女じゃないか」

「よく似ていますなあ。わたしも、そうかと思いました。でも、ちがうようです」

「そうかな? どうも、あの女のような気がするが……?」

金五郎を愛している大庭春吉としては、もし、武蔵温泉の女であったならば、警戒しなくてはならぬと思っているのであった。旅先ではともかく、地元では、いろいろと困った問題が生じて来るのである。

友田喜造は、お京の艶冶さを、うっとりとした眼つきで眺めていたが、盃をおくと、そっと、仲居を呼んだ。

「なにごとでしょうか?」

「あの女、なんという妓かね?」

「お京と申します」

「気に入った。今夜、頼むぞ」

「さあ、……? お京さん、どう、いいますか?……」

「どういうも、こういうもあるか。芸者じゃないか」

それを、染奴が、眼を光らせて、聞いている。

お京の「梅にも春」が、拍手のうちに終ると、すぐ、宴になった。