Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
マンを慕い、マンを嫁にしたい一心で、故郷を飛びだして来たのだが、もし、夫婦になったとしても、到底、マンが、自分の手に負える女ではない、と考えられるのである。
しかしながら、そう思う一面、
(ひょっとしたら、今度の事件で、マン坊は、玉井金五郎と別れる。そうしたら、おれと夫婦になれるかも知れん……?)
その、胸のどきつく美しい邪念は、執拗に、狡猾に、時次郎の胸の奥底に、くすぶっているのであった。
永田から貰って来たラムネを、おいしそうに、二本、つづけさまに、飲んだ金五郎は、ぐったりとなったように、眠ってしまった。
一時が、打った。
薬を買いに行くといって出たマンは、そのまま、朝まで、帰らなかった。
翌朝になると、大騒動である。家事万端が、子分連中の分業になる。
「将棋と料理なら、おれにまかしちょけ」
「ノロ甚」は、そんなことをいって、生来の緩慢な動作で、味噌汁を作り、大根おろしをこしらえた。飯炊きの役の源十が、竈に薪をくべ、道具番の清七は、七輪をおこして、目刺を焼く。「中学生」の俊次は、水汲み専門、流し元で、皿や茶碗を洗う。
時次郎は、箒を持って、家の中を掃く。