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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

と、誘いをかけてみたが、

「死んでも、行かん」

金五郎の答は、その一点張りであった。

村長や、有力者、商売筋、役人、警察、友人――あらゆる方面から、執拗に口説いたけれども、金五郎の決心は変らなかった。

日ごろ、金五郎を邪魔者あつかいにしている嫂のスギなどは、

「お前は、馬鹿ぞな。こがいな棚ボタばなしが、世界のどこにあるもんか。わたしがお前なら、慰斗をくわえて、飛んで行くが」と、義弟の無慾を罵倒した。

黒石の一人娘ヤスも、「金さんでなければ、いや」といって、駄々をこねているとのことである。

金五郎は、窮した。

「なあ、金さん」※は、もうひと押しというように、

「あんた、さっき、男らしゅう定めよう、と、いうたなあ? それは、ここのことぞな。さあ、思いきって、手を打とうじゃないけ?」

「わかりました。わたしが、黒石の養子に行けば、蜜柑を全部、四で、引きとってくれるというんですね?」

「そのとおり」

「四で、値引きを一つもせず、即金で払ってくれるというんですね?」

「そのとおり」

「よろしい。手を打ちます」

「そうけ」と、※は飛びあがって、「くどいようじゃが、黒石の養子のこと、承知じゃな?」