Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
奥へ、来てくれ」
庭に面した六畳の部屋で、二人だけで、対した。どちらの顔も、緊張している。
「お京さんは、居らんかね?」
坐ると同時に、金五郎は、そう訊いた。
「その、お京のことで、すこし、金さんに、話しとかねばならんことが、出来たんじゃが……」
「聞かんでも、わかっちょる。とにかく、お京に逢わせてくれ」
「お京は、居らんよ」
「どこに行ったかね? どうせ、髪結いか、風呂か、稽古じゃろ? それとも、友田喜造のところか?……仕込みにでも、呼びにやってくれ。どうしても、お前の居る眼の前で、逢うとかにゃならんことが出来た」
「お京は、もう、この若松に居らん」
「なにや?」
さすがに、おどろいた。
新之助は、沈痛な面持で、
「さっき、お前に、こみ入った話があるというたのは、お京のことなんじゃが、……今日あたり、お前の家へ報告に行こうかと、考えとったんじゃ。お京は、おれが、頭を下げて、この若松から、出て貰うた。お京一人のために、あちこちに、面白うないいざこざが出来るんでは、困る。おれは、お京の前に、手をついたよ。お京に、頼んだ――あんたも辛かろうが、ここのところは、あんたが身を引いてくれさえすれば、方々が、丸くおさまる。