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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

(立派な泥棒じゃ)

この日ごろ、むしゃくしゃすることばかり続いて、憂鬱でならなかった金五郎の心に、パッと窓が開き、カッと明かるい光線がさしこんで来たような、愉快さであった。石川二右衛門――その名も洒落れている。為替を組むためには、名が必要なので、偽名を使ったのであろうが、五右衛門から三右衛門少いところが面白い。

すると、金五郎は、急に、忘れていた大事なことに気づいた。

(おれも、松山の親父に、三十円かえさなくちゃならん。明日、早速、送ろう)

そう思って、心が晴れ晴れした。

それから数日後、奇妙な事件が起った。

染奴が、或る夜、お座敷の帰りに、何者かのために、ザンギリ頭にされてしまったのである。丸坊主にされたわけではなかったけれども、鋭利な刃物で、黒髪を、ほとんど根元から、全面的に、切り取られた。染奴は、「飛鳥」から「山根」に仕換えして、相変らず、友田喜造と関係をつづけていたが、その夜は友田と逢ったのではなかった。三菱の宴会によばれたのである。

振袖の袂で、御高祖頭巾のように頭と顔をつつみ、けたたましく泣き喚きながら、「山根」に走り帰って来た染奴を、誰も、はじめは、発狂したのではないかと疑った。