Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
そのあげくに、
「今夜、散財するのもええが、大事な現金をたくさん持っとるけに、早目に切りあげて、帰った方がええぞな」
大きな声で、そういった清七に、金五郎は、いきなり、膝をつねって、合図した。かたわらの彫青男が、眼をぎらつかせて、聞き耳を立てていることに、気づいたからである。
しかし、かんのにぶい清七は、さらに、金五郎から、眼くばせされても、まだ、わからず、
「なんするのぞな、無茶しよって。痛いじゃないけ。金さんの力で、ひねられてたまるもんけ」
と、恨むまなざしで、友達を見た。
金五郎は、はがゆくてたまらなかったが、
「清ちゃん、お前、今度の鎮守祭には、「三勝半七」を語るのけ?」
と、話題を転じた。
「いんや、「太閤記十段目」にしようと思うとる。……じゃが、痛いなあ。青じみになったわ。どがいなわけで、金坊は、こがいなひどいことを……」
なおも、清七が、ぶつぶつと、そんなことをいいかけると、寝ころんでいた変な男は、くるりと起きあがった。浴衣をぬぎ、手拭をぶら下げて、急ぎ足で、湯槽への階段を降って行った。
金五郎は、清七に、「もう、銭の話は、すな」といましめた。