Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
あまりの情なさに、そんな無茶も、何度か、考えさえしたほどである。右腕だけになり、晴れ晴れした気持になった夢さえ見た。
「どうじゃ、立派じゃろう?」
そんなことをいって、人に示した若いころが恥かしい。美しさを自慢したことは、無知にもほどのあることであった。
困ったのは、子供たちである。勝則をはじめ、次々に生まれた子供たちは父の彫青をいやがって、登校をしぶる日さえあるのだった。
「やあい、お前の親父は、彫青のゴロツキじゃろが」
小学生は、むきだしに、そんな憎まれ口をたたく。子供たちは泣いて帰って来て、早くその絵を消してくれ、という。消そうとして、あらゆる努力を払った。しかし、薬品、灸、手術など、どれも効果がない。とすれば、人前に出さぬこと以外に方法がなかった。夏でも、裸にならず、長い袖のシャツを着た。人と旅行しても、こっそりと、家族風呂などに、一人だけで入るのだった。
といって、「蝶々牡丹のお京」を恨んでいるわけではなかった。今も、般若の五郎と邂逅したことから、
(五郎が、お京の消息を知っているかも知れない。五郎に逢いに行こう)
と、考えているのである。