Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

「わかりません」

「井上安五郎と手を切って、民政党に入ったら、どうな?」

「…………」

「明日は五十八議会の見学に行くんじゃが、控室で吉田磯吉親分が、君を待っとる筈じゃ。昔から、親分がずっと君に好意を持っとることは、君も知らんことはあるまいが? 君を、どうしても、民政党に欲しいといいなさっとる。君は中立じゃけど、井上安五郎と仲ようしとると、政友会くさい。親分は君を陣笠で置くつもりはないんじゃよ。幹事長に取り立てて、次期の県会には、民政党公認で立候補させ、絶対当選させてやる、といわれるんじゃ。君は親分には恩になっとるし、義理を知っとるなら、断われん筈じゃがなあ?……」

「吉田親分の御厚意は、日ごろ、身にしみて、ありがたいことに感じて居ります」

「そんなら、親分のいわれるとおりにするか?」

「それは、残念ながら出来かねます。それとこれとは、別です」

「どれと、どれが……?」

「吉田親分からお世話になりましたことは、私個人のことです。政治は公のことですから、混同出来ません。わたしは、民政党が悪いというているわけではないんです。中央政界や、国会などでは、政党が必要で、それが憲政の常道であることは、無学なわたしでも知っていますよ。