Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

……玉井君、君は、今度の上京をええことにして、三菱の本店に行くつもりじゃろ?」

「そうしたいと考えて居ります」

「行くことならん」

「参ります」

「止めれ」

「止めません」

「君など行っても、誰も相手にしやせん。それに、もう、新川岸壁に、炭積機を作ることは定まってしもうとるんじゃ。行っても無駄じゃよ」

「無駄とは思いません。誠意を披瀝して話せば、わかって頂けると考えとります。それでなくてさえ、食うや食わずで居る沖仲仕が、この上、炭積機でも出来たら、餓死の外はありません。なんとかして、思い止まって貰うよう、本店のえらい人に逢うて、歎願するつもりです」

「君は時代おくれじゃよ。文明が進歩したら、なんでも機械化することはわかっとるじゃないか」

「それは、わかっとります。洞海湾には、ホイスト、クレエン、鉄道桟橋などの岸壁設備、沖にも、ローダー、ポンツウンなどがある。それは新時代の然らしめるところでしょう。しかし、多くの沖仲仕が餓死することも顧みられないで、機械が作られることが、文明の進歩とは思いません。一番大切なものは、なんというても、人間の命ですよ」

「君は、それじゃから、馬鹿じゃというんじゃ。