Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
労働者の味方なんかせんで、もっと自分のことを考えるがええよ。虫けらみたよなゴンゾのために、一所懸命になってみたところで、得は一つもない。それより、利口な世渡りをする気になりゃあ、丸々となれるばい。……実は、君が、炭積機建設の反対運動を止めるなら、相当まとまった金を出してもええ、ということになっとるんじゃが……」
「お断わりします。わたしは、仲仕ですから、仲仕以外のことは考えられません」
「ふウン、……」
友田は、憎々しげに、鼻で笑った。
このとき、不意に、
(この男を殺してやろうか)
金五郎の胸に、霹靂のように、奇怪な考えが浮かんだ。
(その気になれば、ここで、この痩せ男を締め殺すくらい、わけはない。入浴中、心臓麻痺を起したということで、すむかも知れない。たとえ、おれが殺したとわかっても、おれは本望じゃ)
友田喜造一人がいなくなれば、多くの港湾労働者、いや、若松の街の人たちも、どんなによろこぶことだろうか?――と、思うのだった。
しかし、無論、金五郎は、その悪魔の想念に愕然として、妄念を払い落すように、頭を打ち振った。
「玉井君」
と、まだ、友田は話があるようだった。