Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
うす緑の傘のいろが、二人の顔を染め、相合傘の姿が美しい。
蛭子神社の方へ、歩いた。
「良ッちゃん、勝則さんのおっ母さんて、割と、やさしそうな人やないか」
「でも、……」
「男まさりのはげしい人というて、評判でしょ? どんな恐しい人かと思うたわ」
「時姉さん」
「うん?」
「「猫婆さん」が、話しはせんか知らん」
「あんたと、勝則さんとのことを?」
「ええ」
「あれで、なかなか、蓮根食いやけ、そんな野暮はせんやろ。話したってええやないか。どうせ、このままでは、すみはすまいもん」
妹芸者は、黙った。内気らしい顔に、深い憂いのいろがただよっている。
蛭子神社の角を曲った。年代を経た大榎の梢に、鳩の群が、雨に濡れながら、しきりと舞っている。
「良ッちゃん」
これまでにない、強い姉の語調が、耳をはじいた。
二人は血をわけた真実の姉妹である。光三、光丸、という芸名で、若松検番から出ているが、おたがいの間では、時子、良子、と、本名を呼びあった。光丸が養女になっている辻木惣八の「竹の家」に、光三も同居している。料亭「竹の家」は、置屋も兼ねていて、他に、四五人、抱え芸者がいた。
「なあに?」