Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
先刻、道で逢ったとき、「親玉食堂」で、昼食をしようということになったのだが、「現場」に行く豆八だけは、時間がなくて、同道しなかったのである。料理が来るまで、ビールを飲む。
「友田喜造が――絶対当選させてやる、というたって?」
「ええ――立候補した者は、一人も落さん自信がある。……そう、友田さんが、何度も、お父さんにいうとりましたわ」
「ははあ」原田は、天井の一角を睨むようにして、「また、例の手か?……買収、饗応、戸別訪問、恐喝、……それに、わが党政府の選挙干渉、……こげんガラクタのごたる候補者ばっかりが出て、全部上るといやあ、それしか考えられん。糞う、そげん何時もかつも、柳の下に泥鰌が居るもんか。今度は、負けんぞ」
「まあ、原田君、そんなに、いいなさんな」井上安五郎が笑って、「こっちの候補者だって、そんなに粒揃いというわけにゃいかん。どうかと思う者もある。民政党の中だって、立派な候補者も居るよ。ただ、最善を尽して、やってみる以外にはない。……今度は、君を、どうしても当選させたいと思うとるが、……」
「今度は、大丈夫じゃろうと思う」と、金五郎も、確信ありげに、「普選になったんじゃし、若松の者も、そう盲目ばかりでもないよ。