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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

障子をあけて、光丸が顔を出すと、

「酒が切れたころじゃないかと思うて、訊きに来たのよ」

と、いった。

泣いて歪んだ青い顔を、ハンカチでふきながら、

「もう、帰りますわ」

「一人で?」

「いいえ、いっしょに」

勝則も、出て来た。酒は飲まなかったのか、怒ったような仏頂面をしている。

「早いじゃないの? ゆっくりしなさいよ」

「帰る」と、勝則がいって、「おコヨさん、広間の方に、親父が来とるじゃろ?」

「ええ、来とんなさいます」

「僕も、出席するようにいわれとったんだ。でも、今日は出られん。偶然、いっしょになってしもうて、弱った。親父に、僕の来とったこと、いわんといて下さいよ」

「はいはい」

「広間の方に行って、誰かに逢うと困る。庭の裏木戸から出るけ、すまんけんど、僕の下駄をこっちに廻してくれんか知らん」

「忍ぶ恋路は、手間のかかることやなあ」

コヨは、そんな冗談口をたたいて、橋廊下を渡って行った。

光丸もそれにつづいた。彼女は帳場の方から表に出るらしい。

手洗所に潜んでいた金五郎は、勝則が小便をしに入って来るらしい様子に、びっくりした。

あわてて、大便所の戸を開いて、飛びこんだ。