Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほうら、ごらん」と、マンが笑って、「気がつかんのは、お父さんだけよ」

「そうですか」と、大石が、パチリと、一石、力をこめて、打ち下してから、「スリの女親分、……わたしゃ、また、芸者かなんかかと思うちょったけんど」

「女スリですよ。大石さん、うちのお父さんも、ええとこがあるでしょう? 東京の女スリから惚れられて、一ぺんは掏られた財布をかえして貰うて、おまけに、若松くんだりまでも、逢いに来られとる。あたしは、お父さんに惚れとるその女の人に、前から一ぺん逢うてみたいと考えとったもんじゃけ、今夜、公会堂に行ってみようと思います。きっと、今日も来るでしょうけん」

「そら、来るかも知れんけんど、……へえエ、そげなことですか」

大石鶴松は、くすぐったそうな顔つきで、夫婦間の雲行を偵察するように、金五郎とマンの顔を見くらべた。

金五郎は、酢を飲んだような顔をしている。

(女房の焼き餅が、妙なところへ、妙な風に、あらわれて来たわい)

勝則と投網打ちに行った夜、お京の手紙を見られて以来、マンが、そのことについて、一口もいわないので、内心、気味が悪かった。兆候があんまりあらわれないので、或いは見なかったのか、とさえ考えることがあった。