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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

お葉は、なにもかも打ち明けているようで、このとき、もっとも重大な一点を隠していた。

社燈のうす明かりに浮き出ているお葉の顔には、よくも、こんなに、母の血と心とを受けついだものと怪しまれるほど、妖艶で、凄味のある仇っぽさがにじみ出ている。その、燐光のような青さを放つ瞳の奥には、狂気に近いものがひらめいていた。それは、一種のたけだけしさで、世俗をも常識をも、倫理をもはねとばして、女の愛の権利を主張する妖気といってよかった。

金五郎が、お葉をお京と思いこんでしまったのも、無理はない。近々にあらわれる、という前ぶれの直後、「夕立」の舞台と、火事場と、演説会場と、三度とも、遠目に見たのでは、母と瓜二つのお葉を、お京とばかり信じたのは当然であった。君香まで一役買って、原田雲井邸からの帰途、お葉のことを、お京として、話したことも一因といえよう。

マンは、息をのむようにして、

「うちの人の彫青は、お母さんが彫ったというのは、ほんとうですか?」

「御存じありませんでしたの?」

「今、はじめて聞くことです」

「おや、玉井さんは、それを隠していなさったのね。二十五年間も、よく、まあ……」