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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

青ざめた顔は紙のようである。額と首筋にうすく血がにじんでいる。

マンは鉄瓶の水を口に含んだ。プッ、プウッ、と二度に、夫の顔にふきかけた。それでも、金五郎は蘇生しない。

マンは、なにかうなずいた。夫の股間に右手をさし入れた。それに思いと力とをこめた。

「ウ、……ウウン、……」

金五郎は呻いた。やがて、眼を開いた。

死と夢

梅の木はないのに、庭にウグイスが来て鳴いている。ボケの花でもまちがえたのであろうか。澄んだ声が、冷たい朝の空気をふるわせる。これも、なにかの勘ちがいをしたのか、まだ、冬眠から醒めるはずのない青蛙が一匹、鯉、鮒、金魚のたくさん泳いでいる瓢箪池の岸で、手をついたまま、置物のように動かない。

「梅にウグイス――というが、梅もないのに、間抜けなウグイスじゃなあ」

縁側で、投網の修繕をしながら、金五郎が笑った。

「ヤブウグイスよ。あたしとひとつこと、贅沢いわんで、どこでも歌うとたい」

キザミ煙草をおいしそうに吸っていたマンは、そういって笑ったが、ふっと、いたずらっぽい真顔になって、

「お父さん、梅がなけりゃ歌わん、ちゅう、頑固な女子のウグイスが居ったけんど、憶えとる?」