Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
手代の徳次はそう言って、鑿と金槌で引っ剥すようにして開けた、二枚の雨戸と敷居の傷などを見せております。
「八、その離屋を閉めきって、中から脱け出す工夫はないか。考えてみろ」
「へエ、やってみましょう」
八五郎は手代の徳次に雨戸を閉めさせて、中で何やらゴトゴトやって居りましたが、しばらくすると縁側からバーと顔を出しました。
「駄目ですよ、親分、鼠だって出られやしません」
「天井へ這い上ってみたか」
「天井も床下も、恐しく念入りだ」
「雨戸の上の欄間はどうだ、その障子を外したら出られるだろう」
「とんでもない、子供か猿公でもなきゃ出られるわけはありません。あんなに狭いんだから」
八五郎のでっかい指は欄間を指しております。
「念のためだ、お勝手から踏台を持って来て、欄間をよく調べてみてくれ。そこはたいてい埃の多いところだ、子供でも猿公でも、這い出せば痕が残るはずだ」
平次の注意はもっともでした。やがて台所から踏台を持出した八五郎は一間半の欄間を念入りに覗いて居りました。が、
「驚いたぜ、親分。この家にはどんな癇性の人間が住んでいるか知らないが、雨戸の上の欄間まで嘗めたように拭き込んであるぜ」