Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
八
誰も見てさえいなければ」
八五郎はもう、足袋を脱いで懐中へ入れると、物々しくも十手を横哺えに、窓から庇へ、スルリと滑って出ました。
八
その夜、竜吉の姉のお専が、小用に起きて帰りが遅いので、夫の福之助が手燭を持って探しに行くと、便所の前の板敷に、長々と伸びているのが見つかりました。
が、見つけたのが思いのほか早かったのと、手当てが行届いたせいか、お専はまもなく息を吹返しました。幸い夫の福之助が、ノラクラ者のくせに、若いとき医者の玄関に住込んでいたことがあり、応急手当のひと通りくらいは、心得があったのです。
急報を受けて、平次と八五郎が駈けつけたのは、翌る朝の辰刻半(九時)頃、その時はもうお専は、すっかり元気を取戻し、日頃の媚態へ輪をかけたような表情で、事細かに昨夜の一埒を話してくれました。
「びっくりしました。いきなり暗の中から飛び出した者が、私の首へなんか引っかけてギュウギュウ締めるんですもの。夢中になって藻掻いたが、手掛りもなんにもありゃしません。そのうち気が遠くなって、――眼を開いた時は、うちの人と定吉とお北が、大きな声で呼んでいました。――まだ喉のあたりが、変な気持ですよ。