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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

――その息子と娘は、いつの間にやら、手紙をやり取りするようになった。文使いは朝倉屋の方は丁稚の定吉で、浪人立花の方は、お妙の従弟で、これは十六になった富坂松次郎というので。十六にはなったが、知恵の遅い、団栗みたいな背の低い不景気な男――朝倉屋の丁稚の定吉は十四だが背も高く、弁舌もうまく、こっちの方が年も上に見える」

「…………」

「向うの家の窓の中で、お妙が床の上へ坐ったまま、赤い襦袢の袖をチラチラさせて、羽子をついてるのを見ると、朝倉屋の倅の竜吉も我慢が出来なくなった。二年越し床に寝たっきりで、正月が来ても凧を揚げる楽しみもなかったのが、どんなに口惜しかったことでしょう。竜吉はフト思いついて、定吉に古い凧を持出させ、その糸目を直して二階の窓から凧を揚げることを考えた」

「…………」

平次は黙ってしまいました。十九と十八の若い恋人たちが、その恋のハケ口に困じ果てて、病床の中で羽子をついたり、病室の窓から凧を飛ばして僅かに慰め合う、あわれ深い姿を思いやって、ひどくしんみりしてしまったのです。

「螢沢の畑の中の二軒家、正月近い淋しい空に、羽子の音が響いたり、窓から凧が揚がったりするのを、土地の人は小さい声で哀れがっていましたよ――こちとらの阿魔ッ子や倅だったら、手っ取り早く新田の田吾作にでも口をきかして、三日経たない