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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

これは右利きなら、左側の首の方が楽だ」

「なるほどね」

八五郎は自分の首のあたりに手をやって試してみたりしました。

「それから、土瓶の水をわざわざ凧糸の一方に滴らすのも変じゃないか。やってみるがよい、凧糸を皆んな濡らしてやるなら楽だが、首へ巻いた凧糸に土瓶で水を滴らすのは、ずいぶんイヤな心持だぜ――、春といってもまだ薄寒いし、そんなことをしたって、なんの役にも立たないじゃないか、ただ自殺と見せかけるだけのことだ」

「…………」

「それから、松次郎はお妙に頼まれた恋文をまだ竜吉に渡さなかったと言っているが、その二十五本目の恋文は、半分千切れて、繩かなんかで絞ったようになっているじゃないか。竜吉がその恋文を読んでいるところを、松次郎がいきなり背後から首へ凧糸の輪をかけて絞めたんだ。読んでいた手紙もメチャメチャになったが、証拠を残したくないので、死骸からむしり取って行ったのだろう――凧糸に羽子を挾んだのは、竜吉の床の側にあった羽子を使って、自害と見せかけた細工だ」

「…………」

「そして竜吉に逢わなかったと言ってるが、土手と林と冬囲いにかくれて、庇から二階へ誰にも見られずに入れるし、仕事は手っ取り早く片付いたに違いない。