Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
寄付金に寄贈品に町会までもやってはいる。だがそれだけのことだ。現に被災地ではまだまだたくさんな生命が悲泣している。半面の人間悪も横行にまかせている。被災者にすれば「今は南北朝時代か」と疑いたくもなるだろう。
もしこれがソ連や中共の治下であったらどうか。また米国や英国ならどうか。この自国の腹部へできた重症の治癒には、国智と民力を集中して快スピードの政治力と隣人愛とを見せ合うだろう。のろのろした時は措かないはずである。だが私たちの託している政府雇傭の人たちでは託されている権限や法規や政党事情やらで、こんなのろまな動きしかできないのらしい。これは私たち政府のあるじも怠慢だった。私たちにも責任がある。また一つ国の民主国民なら、この災害を“運不運”とだけ見て、その災害を分け合わないでいいものでもあるまい。さしあたって、政府同様な政府代行機関を現地におき、それにこの急場だけの最大な発令権をみとめるもいいとおもう。皇太子と首相がヘリコプターで見て帰ったところで何の薬にもなりはしない。被災の民衆が精神的にそれで鼓舞されたなどは、むかしの日本のことである。私たちの公僕はいまだに明治、大正の古帽子がお好きで困る。