Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
足は自慢な男である。
城下から海ぞいに、土佐街道を南へ十四里ばかり、日和佐の宿へ急いだのだ。
磯の香の高い海辺町にはいった晩、かれの姿は、すぐと、海部代官所の中へ消えていた。
で、何かの手筈はその晩にすんだとみえて、翌日になると眼八、旅職人の風つきで、わざと間のぬけた顔をしながら、厄除橋の辺をウロついていた。
薄暮の海が眺められた。漁港らしい灯が日和佐川に映っている。宿の中を通っている街道には、ひとしきり荷駄の鈴や、宿引きの女の声や、さまざまな旅人の影が織っていた。
四国二十三番の札所薬王寺にゆく足だまりにもなるので、遍路の人のほの白い姿と、あわれにふる鈴の音もこのたそがれのわびしい点景。
「あ、こちら様だナ」
と、やっと見つかったというふうに、眼八、とある角構えの格子先に腰をのばした。
船玉祀りの御幣柱が、廂の裏に掛けわたしてあり、荒格子に三間土間、雑多な履物が上げ潮でよせられたほど脱いである。
欅の板に「大勘」と書いて、表に打ってある標札をたしかめながら――実は海部代官所で所も内状も調べてきてはいるのだが――どこまでも不案内の渡り者らしく装って、