Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「……オオ周馬!」
菰をかぶった啓之助は町側の向うを、そして、万吉はこっち側を、中に挟んでつけて行った。
「傀儡師――なるほど、考えやがったな。今日ということを知らなけりゃ、うまうまと、あいつに出し抜かれていたかもしれねえ」
万吉は笠に隠した横目で、巧妙なそして周馬らしい機智の変装ぶりを眺めながらついてゆく。
玉造口から河内路へふみ出して、鴫野へくると周馬は茶店で一服した。万吉も物腰を変えて同じ軒下の床几へ腰をおろし、朝飯をとりながら、いよいよ飴売り傀儡師、周馬に相違ないことをたしかめてよろこんだ。
茶店を出ると、またどこからか、酒菰をかぶった啓之助が、後先について歩いてくる。で万吉は、いちはやく、阿波方のものも今日のことを知って、周馬の行く先を要すべく待ちかまえているのを察した。
「はて、邪魔な野郎だ、どうしてやろうか? ……」と万吉、私部の並木あたりから、何かしきりと考えていたが、その頃から、わざと少し周馬におくれて、前へゆく酒菰へ、
「おい、お菰さん」
と、手をあげた。
啓之助、ちょっとふりかえったが、聞こえぬ振りをして急ごうとすると、万吉はまた、