Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「やっ?」
「――道太郎じゃ! いつの間に」
「卑怯なやつ」
ふたりは足を飛ばして駆けた。いつのまに抜け道をしたか、ひとりの巨漢が白刃をかざして、小鳥のようなお千絵を追っかけ廻している。そして自分の身に代えて防いでいるのはお綱であった。
それさえハラハラさせられているところへ、また忽然と一方からおどり立って女ふたりを取り囲んだ者がある。お十夜孫兵衛と三位卿だ。――万吉は宙をとんでゆく間にそれを見て、アア駄目だ! もう危ない! と思わず腰をついてしまいそうになった。
ところが――意外の上にまた一ツの意外が重なった。
逃げ場を失ったお千絵様、芒の根につまずいて、あわや、道太郎の烈しい大刀の下になった時、意外ではあるまいか、かえってその道太郎が、もののみごと、袈裟がけにされてぶッ仆れたのである。
驚きひるむ原士の前に、降って湧いたように立っていた編笠は、前の日、山科から三挺の駕の行方を追跡していた常木鴻山。
「やあ、阿波の人々、そこにいる三位卿もよく聞かれい!」と、かれは道太郎を斬った勢いで大音をあげた。
「――今日を期して幕府の大命雷発、京都では公卿の間に、いっせい所司代の陰謀しらべが開始され、上下騒動をきわめておるぞ。