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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

髪は浪人たぶさに結っている。

「月代を剃ること、また、これを自由に抜くことなりませぬ」と、かれの母が遺言で、龍耳老人に誓わせられたその頭には、何が与えられてあったろうか!

侏儒が黒布を解いたせつなに、生首の髷に、さんらんと、見る者の眼を射るものが挿してあった。そして月代の青額には、当時、きびしい禁教の象徴として忌みおそれられている十字架の傷が痕になって残っていた。

髷にさしてあったさんらんたる美光の品も、それにゆかりのある、泰西名工の彫琢、白金彫聖母マリヤの笄なのであった。生首の髷に挿されてある白金のマリヤの笄――それをみると、話の先に、侏儒はなぜか、ぼろりと涙をこぼしたのである。

弦之丞をはじめ五人の人々が、固唾をのむ疑惑の目の前に、それから、涙をこぼしながら、侏儒の話すことであった。

泰西彫工の鏤刻、かがやかしい白金のマリヤ像肉彫の笄。

――ごらん下さいまし、これがどうして、孫兵衛の髷に縫われ、また、抜けない約束のものとなったでしょう?

ご存じはございますまい。

これも阿波では他国へ秘密としていた一ツでございますから。

関屋孫兵衛の母。

あのお方は、イサベラ様とおっしゃいます。