Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
小姓にしてはわがまますぎるし、飯粒にしては大きすぎるこのつきものを、別に気にかけない重喜も大名だが、それの邪魔にならない徳島城もさすがに広い。
「どうであった? 剣山の方は」
「は、昨夜御城下へ戻りましたが、夜中のことゆえ、御復命さしひかえておりました」
「月々の目付役、大儀である」
一室の席についた阿波守は、そこへ森啓之助を引いて、山牢の様子を訊いていた。
そばには竹屋三位卿、恬然として控えている。啓之助の目と有村の目が、重喜をはずして時々妙にからみあった。
「そちも聞き及んでいる通り、江戸方の者がしきりに当国をうかがっている場合じゃ、剣山の麓や山関の役人どもにも一倍用意させておかねばならぬぞ」
「山番の末にいたるまで、近頃はみな緊張しきっておりまする」
「ム。では、別に異常もなく警固しておるな」
「ところが、天満同心の俵一八郎が、とつぜん、死亡いたしました」
「や、遂に、病死いたしたか」
「ならば別段でもござりませぬが、何者かの悪戯――おそらく悪戯と察せられます――で、殺害されたものでござる」
「間者牢の者を殺害した? 誰が? 誰がそんな意志をもって悪戯をいたしたか」