Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
沼辺の鬼火
なかった。
それが今では頼春にとっては、怨みであり怒りであった。
(よーし逢って怨みを晴らそう! ……が、その前に眷族どもを!)
「来い!」
とたんに斬り込んで来た。
と、その姥の眷族の一人、修験者風の大男の咽喉へ、身を真っ直ぐにした蝮が一匹、電光のように飛びかかった。
頼春の突き出した杖であった。
「ギャ――ッ」
まるで獣の悲鳴だ。
持っていた太刀を宙へ刎ね上げ、修験者は仆れてのたうった。
沼辺の鬼火
眉輪の沼の岸の腐木に、鬼火の姥は腰かけていた。
金地院範覚をはじめとし、十人ほどの眷族が、その周囲に集まっていた。
範覚は今は真面目であった。
金剛杖によりかかりながら、姥の話に耳を澄まし、時々沼を越したあなたの森へ、鋭い眼を走らせていた。
森林に囲まれた大沼は、黒漆の縁にふちどられた、曇った鏡のそれのようであった。沼は浅く水も少く、芦だの茅だの芒だのが、かなりの沖にまで生えていた。が、泥が深かったので、一足もはいることは出来なかった。半かけの月に照らされて、水は燻した銀のように、朦朧とした光を浮かべていた。黒漆の縁の森林からは、絶えず点々と火の光が、あるいは酸漿のようにあるいは煙火のように、木の間がくれに隠見して見えた。