Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
(わたしは誰にも顔を見せまい)
そこで癩病患者かのように、顔へ白い布を垂らしたのである。
それでも痴漢は彼女を襲って、その白布を取ろうとしたり、その貞操を奪おうとした。
懐剣などで防ぐことは、かえって危険を招くことであった。
奪いとられたらこっちが斬られる。
不思議にも彼女には子供の時から、長虫を恐れない性癖があった。
逝い母などは心配して、「この娘はきっと嫉妬ぶかいよ、この娘はきっと執着づよいよ、女の身で長虫を恐がらないのだから」と、溜息と共に云ったほどである。
これが彼女に幸いした。
彼女は蝮も手なずけた。兇猛の蝮も彼女にかかると、自由になる生きた紐かのようになり、穏しく懐中で眠りさえした。
もう彼女は安全であった。
うっかり彼女を襲った男は、したたか毒虫に噛みつかれた。
知っている者は襲おうとはせず、知らずに一度襲った者も、二度と襲おうとはしなかった。
こうして彼女は今日が日まで、貞操を安全に保つことが出来た。
悪あがきをした武士だけが、遠く群れから離れて立っていたが、爾余の者たちは早瀬の周囲で、また暢気そうに話し出した。
「『裏切り者』って男を知っているかい?」