Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
と、浮藻はなかば泣き声で云った。
「わたしを毎日あそこへやり……」
「そうとも!」
と、桂子は毒々しく云った。
「お前の綺麗な裸身を見せて、色情狂の範覚を迷わせてやろうと、もくろんだのさ!」
「お姉様!」
と、涙を流し、浮藻は腹立たしさと口惜しさの声で、
「姉妹の仲でありながら、そんなあさましい恥ずかしい所業に、わたしを妾を追いやるとは……」
「お黙り!」
と、桂子は裂帛のように叫んだ。
如意が高くかざされている。
「あさましいぐらい、恥ずかしいぐらい、血書き写経の荒修行に、たずさわっている妾に比べ、何が何が、何あろう! ……それとも綺麗な裸身は小次郎以外に見せたくないと、そう思ってのその言葉か!」
「お姉様……ア、あんまりな!」
「何を!」
一撃!
「ヒーッ」
と叫び、肩を打たれて浮藻は倒れ、地上を美しい蛾のように這った。
「淫婦よ! 多情者よ! 色餓鬼め! まだ処女の身でありながら、男の生肌恋しがり、あだ厭らしく小次郎を追い、ウカウカソワソワいたしおる! ……小次郎は姉の所有! 年月手がけて磨きあげ、あれまでの美玉に仕上げた宝! 何んのおのれに渡そうぞ! ……男欲しくば洞へ行け! ……行け!」