Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「わしが何をよ? 何をするのじゃ?」
「小次郎をすてては置かれまい」
「…………」
「すてて置けば殺されよう」
「…………」
「助けずばなるまい。是が非であろうと」
「…………」
「姥の力でやるひになれば、助けることなど訳ない筈じゃ」
「わけないとも」
と、姥は云った。
「法力でやれば訳はないよ。……が助けてやった後で……」
鬼火の姥は好色残忍の、凄じい光を眼に漂わせた。
間もなく巫女と山伏とが、乱痴気さわぎから姿を消した。
でもしばらく経った時、厩舎の横の納屋の前に、鬼火の姥の御幣そっくりの、白い姿の立ったのが見えた。
両手が額に合掌されていた。
眼が納屋の戸を睨んでいた。
と、ひとりでに錠の外れる、ピーンと云う音が聞こえて来た。
小次郎が冥想からさめたのは、この錠の外れた音からであった。
小次郎はにわかに恍惚となり、心も体も自分の所有でなく、他人によって勝手自由に、使われているように思われて来た。
と、いつか小次郎は、暗い寒い納屋から出て、どこかへ連れて行かれるような、そんな気持ちにとらえられて来た。
ボッと薄青い光の中に、いつか小次郎は坐っていた。
側に一人女がいた。