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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

白拍手や遊君は泣きわめきながら、部屋や廻廊を走り廻っていた。

その数人が恐怖のままに、部屋から部屋、廊から廊と、奥へ奥へと逃げて行った。

「ヒーッ」

と、一人が悲鳴をあげ、のけざまに倒れて気絶した。

二人の遊君は抱き合ったまま、足をすくませて動かなくなった。

遥かの奥に御簾がかかってい、そこへ陰火が燃え上がり、髪ふり乱し血を流した、女の幽霊があらわれたからである。

鬼火の姥は混乱の場を、右に縫い左に縫いして走って行った。

小次郎はそれを追っかけて行ったが、それは自分から追っかけるというより、姥の力が小次郎に働き、誘なって行くといった方が、あたっているように思われた。

館の庭から遁がれ出た時、

「姥!」

と、呼びかける声がした。

浮藻を抱いた範覚であった。

「おお範覚か、首尾は首尾は?」

「ごらんの通りだ――ッ……小次郎は?」

「従いて来るぞよ、あの通りだ――ッ」

「これからどうする?」

「静かな所へ!」

「それじゃア、林へ!」

「うむ、行け行け!」

や羅漢柏や落葉松などで、出来あがっている林があって、十七日の冴えた月光に、紗のように捲かれて静もっていたが、その中へ一同が駆け込んだ。