Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
谷間の人々
が、そういう一団を、遠景のように向こうに眺めて、こんな林には珍らしい、大銀杏の木の根もとの辺りに、小次郎と浮藻とを前に据え、鬼火の姥と範覚とが、黙然として立っていた。
と、
「小次郎や」
と、姥が云った。
「わたしが誰だかお解りかえ?」
それは桂子の声であった。
「小次郎様、浮藻様」
と、金地院範覚がつづいて云った。
「わたくしがおわかりでござりまするかな?」
風見の袈裟太郎の声であった。
「小次郎とも浮藻とも、別れなければならない時節が来たよ」
桂子の声は咽ぶようであった。
谷間の人々
三人の男が手をつないで、その周囲を廻っても、まだ余りはしないだろうかと、そんなにも太い銀杏の幹で、月光は完全に遮られ、闇のようになっているその中に、顔を見られるのを恥じながら、でも自分では相手の顔を、これが見納めといったように、食い入るように見詰めながら、桂子は云いつづけた。
「どうしているかと案じていたに、でもよく無事に帰って来たねえ。……いろいろ苦労をしたことと思うよ。……せっかく帰って来たお前たちなのだから、本来なればわたしとしては、早速館へつれ帰り、これまでどおり一緒に住みたいのだが、でももうそれは出来なくなったよ。