Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
老婆の答えはそれだけであった。
彼女も小次郎と同じように、城内を自由に歩くことも、人と自由に話すことも、許されていなかった。
で、彼女はこの夜まで、自分の部屋にだけに住んでいた。
そこへさっきのあらくれた男が、二人突然はいって来て、彼女を縛り担架にのせた。
活躰解剖の恐ろしい噂も、彼女は聞かされて聞いていた。
(いよいよそれに!)
と彼女は思った。
抗うことの愚かしさ、許しを乞うことの無益さを、その瞬間から彼女は悟った。
ほとんど気死の状態で、彼女は廊下を揺られて来た。
(小次郎様は? 小次郎様は?)
その間も彼女の思っていることは、恋人小次郎のことばかりであった。
窓ごしにではあったけれど、その小次郎の顔を眼に入れた時の、彼女の心持ちというものは※(感嘆符疑問符、1-8-78)
喜びでもあれば悲しみでもあった。
台の上で白布に蔽われ、今浮藻は眼を閉じている。
瞼の下の頬のあたりが、涙ですっかり浸されている。
睫毛の厚い切れの長い、でも泣いたため膨れぼったい瞼が、やがて痙攣して眼があいた。
「あッ」
足もとの方を眺めた時、彼女は思わず声を上げた。
巾三尺長さ六尺、そういう立て板に一人の男が、革紐で結いつけられていた。