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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

それは裸体の男であり、活躰解剖を行なわれ、そのまま捨て置かれた犠牲者らしく、胸から腹、腹から股、股から爪先まで血の簾が、紅絹を裂いて懸けたかのように、いまだにヌルヌルと流れていた。

顔は全く解らなかった。

人間の男の頭髪の代わりに、何んの獣ともわからなかったが、獣の毛が頭に生えていて、それが前方へパーッと下がり、顔をかくしているからであった。

浮藻は眼を閉じ躰を固くした。

悪寒が全身を貫き通し、顫えがどうしても止まなかった。

そういう浮藻を枕もとの方から、これも立て板に結いつけられた、裸体の女が見下ろしていた。

が、その女の二つの乳房は胸のどこにも見られなかった。

その女には乳房がないのであった。

で、そこだけが窪んでいて、二つの珠が箝め込まれていて、その珠の中央に、漆が点ぜられていた。それはそっくり眼であった。

そうして、臍のある位置にあたって、三日月を下向きに懸けたような模様が、黒く刺青されていて、わずかにその女が呼吸をするごとに、それが口のように蠢めいた。

その女が黒い布でも冠って、そういう腹部を露出して、ムキ出しの脚で歩き廻ったとしたら、胴体がなくて巨大な顔から、足のつづいた化物として、何んとよい見世物になることだろう!