Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

……で大塔宮様におかれましても、そのような熊野においで遊ばすより、この十津川へお越し遊ばしたなら、私はじめ郷民こぞって、お味方仕りご起居も安泰に、万事とり計らうでございますものを、思うにまかせぬ儀にござりますよ」

兵衛はいかにも残念そうに云った。

矢田坊こと矢田彦七が、この時さりげない様子で云った。

「大塔宮様ご一行、まこと十津川へおしのびあらせられたら、兵衛殿には心をこめられ、真実お味方あそばさるるかな?」

「お味方いたさで何んとしましょう」

兵衛はいかにも凛然と云った。

「ご承知のとおりこの十津川は、分内こそ狭くはございまするが、四方嶮岨でございまして、十里二十里のその中へは、鳥さえ翔けがたしと云われおりまする。その上ただ今も申しましたとおり、郷民の心に偽りなく、弓矢取ってはことごとく武夫、で大塔宮様ご一行など、この地にお籠もりあそばされて、関東討伐北条氏覆滅の、策源地なんどにいたしましたならば、まことに恰好と存ぜられまする。……この戸野兵衛真っ先立って、お味方仕るはいうまでもなく、兵衛お味方仕ると宣らば、鹿ヶ瀬、蕪坂、湯浅、阿瀬川、小原、芋瀬、中津川、吉野十八郷の荘司ばら、こぞってお味方仕るか、すくなくも表立って指さす者は、一人もあるべからず存ぜられまする」