Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
その時荘司の家来らしい武士が、五人ほど連れ立ってやって来た。
四人の武士は堂の外に残り、年かさの五十近い武士ばかりが、お堂の中へはいって来た。
芋ヶ瀬の荘司よりの使者であった。
宮家の前へ膝行し、おずおずした声で口上を述べた。
「熊野三山の別当定遍、関東よりの御教書なりと申し、大塔宮様にお味方する者は、陰謀与党の輩と認め、関東へいちいち注進いたす趣き、で、今日大塔宮様を、この道より左右なくお通し申し上げては、後日の咎めおそろしく、難儀いたす次第にござります。……さりとて、宮様を抑留いたしましては、臣の身として恐れ多く、主人儀当惑いたしおりまする」
ここで使者は口をつぐみ、おそるおそる宮家を仰ぎ見た。
宮家は無言で正視され、八人のお供の人々も、固唾を呑んで黙っていた。
「ついては……」
と、使者は後をつづけた。
「お供のうち、しかるべき名あるお方を、一両人賜わりたく、さすれば、そのお方を、武家の手に渡し……」
宮家は烈しく御咳をせかれた。
(ならぬ!)という意味の御咳であった。
使者の武士は、ハッとしたようであった。
でも、おずおずと後をつづけた。
「この儀ならぬとのご諚にませば、ご紋の御旗いただきたく、さすればこれを証拠の品とし、関東方へ引き渡し、合戦いたせしと申し陳じまする」