Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「ああわたしは女になりたい!」
不意に甲高く情熱的に、物狂わしく桂子が叫んだ。
「霊的の力、超人間的の力、そんなものわたしは惜しくもない! ああわたしは女になりたい! 一度だけでもいい、女になりたい!」
その情慾と人間性とを、焔のように燃え立たせ、桂子は小次郎の顔を貪るように見た。
「お姉様!」
とその瞬間、浮藻は顔を蒼白く変え、恐怖と怒りと嫉妬と悲哀とを、ないまぜにした声で叫んだ。
「殺されても……わたしは……小次郎様を……お姉様にはやらぬ! やらぬやらぬ!」
小次郎は石のように固くなった。
この時清朗とした鶏の声が、暁を告げて啼き渡った。
鶏娘のあげた鶏の声であった。
樵夫小屋で飼っていた幾羽かの鶏が、その声につれて啼き出した。
と、それから間もなくであったが、大塔宮様ご一行が、樵夫小屋から姿をあらわされ、小原の方へ進んで行かれた。
夜は容易に明けなかった。
(不思議だな)
と思いながらも、宮家のご一行は道を辿られた。
それでもやがて夜があけて、すがすがしい朝となった時、背後から大勢の足音が聞こえた。
で、一同は振り返って見た。
甲胄をつけた二十余人の武士が、息せき走って来るではないか。